pattern match
パターンマッチの威力が特に発揮される「代数的データ型」を備えた言語としてSML(Standard ML)を対象に、その動作原理をκeen氏に説明していただいた。記事の後半では、SMLではサポートされていないパターンの数々や、代数的データ型を持たないCommon LispやJavaといった言語におけるパターンマッチの事例についても触れる。 Rubyは、もともとパターンマッチも代数的データ型も備えていないプログラミング言語である。本稿の前半では、そのRubyにどのような仕様でパターンマッチが組み込まれたのかを、実装者である辻本氏に簡潔に要約していただいた。さらに後半では、すでに多くのユーザを擁するRubyに新たにパターンマッチを追加するという仕事がいかにして成されたのか、その設計の舞台裏を丁寧に解きほぐしていただいた。パターンマッチという限定された文脈ではあるが、既存のプログラミング言語に対する一定規模の機能追加の記録としても貴重な記事となっている